ITエンジニアの暗中模索

システム開発やプロジェクトマネジメントに関する雑記

読書「業務システム開発モダナイゼーション」

昨年から積ん読の一冊であった業務システム開発モダナイゼーションを読んだ。

結論から言うとITエンジニア必携の1冊である。

 本書は、日本のSI業界における多重請負構造を前提条件とした上で、近代的な業務システム開発に必要となる基礎知識やノウハウ(SI技術)を幅広く提供する。これにより、多重請負構造の上流の立場にあるIT部門やSIerのプロパーが、システム開発を正しい方向に導き、開発現場を近代化できるようになることを目指すものである。

読んだ感想

  • 全体的に熱い。各記載に頷きながら読了した。
  • システム開発の現場で起こっている問題に対して切り込んでいる。切り口として要件定義〜リリースまでの各工程における問題と解決のヒントが盛りだくさん。
  • 特に外部設計書と内部設計書について明確な意図の違いを提示している。例えば外部設計を基本設計、内部設計を詳細設計と認識しているSEの方はこの章立てだけでも十分な気づきになるかと思う。外部設計書で書くべきは何か。内部設計書で書くべきは何か。社内テンプレートを疑わず各設計書を記載していることを反省できる記載だ。
  • 自動ビルドとカナリアサーバといった継続的インテグレーションの記載もあり、いずれも問題に対する解決方法の記載であり実践的である。

まとめ

現場でEXCEL方眼紙で設計書書いたり、詳細設計というソースコードと同じような設計書を書いているITエンジニアに是非手を取って貰いたい書籍。そして今の開発現場を少しでもよくしていくことをミッションとするシニア層にも響くものがあるはずだ。