ITエンジニアの暗中模索

システム開発やプロジェクトマネジメントに関する雑記

RPAについての簡単な所見

RPA(Robotic Process Automation)について現時点での考えを簡単に記載しておく。

 

 

■RPAとは何か

普段ヒューマンリソースを使用しながら行なっている作業を自動化するもの。

所謂、事務処理の自動化であり以下の業務特性に対して相性が良い。

まぁ、こんなの別に皆んな知っていることだろうからさくっと。

  • 業務プロセスが定まっていること
  • 業務として恒久的に行われる作業であること
  • 判断が必要にならない作業であること
  • 人為的ミスが発生しやすいこと

■RPAとAI

事例などを調べていると、どうにもRPAとAIが一緒に語られすぎているように感じる。

広義でいうとRPAにAIも含まれるのであろうが、RPAそのものにはフェーズが存在する。

  1. フェーズ1:定型作業の自動化「マクロ」
  2. フェーズ2:非定型作業の自動化「AI」
  3. フェーズ3:意思決定の自動化

このうち現時点で実用段階にあるのは、フェーズ1だと感じているが、利用部署(以下ユーザ)はRPAさえ入れたら定型作業は自動化できるし、非定型作業もロボがなんとかしてくれるんでしょ?みたいな感触だったりするので、エンジニアとしてはきちんとRPAをフェージングして期待値に対する誤解を払拭しておいたほうが良いのではないかと思う。

■金融における適合性はどうか

金融といっても複数レイヤーあるが、フロント・ミドル・バックにおける、バックに対してRPAは適合性が高いと思う。これはバックは業務プロセスが明確(フロント・ミドルに業務プロセスが無いと言っているわけでは無い)であり定型的な作業が多く、意思決定が必要になる業務と区別できるからに他ならない。これは事務コストの大幅な現象も見込めるだろうと現に「みずほ」「MUFG」「SMBC」とメガがこぞってRPAに対して積極的な取り組みを見せている。

各行の取り組みは金融財政事情「2018年1月22日 号」に詳細記載がある

きんざいストア

■不安な点であり手を打たないといけないポイント

世間が「RPAだ。自動化だ。これは働き方改革だ」と言うのとは裏腹に、特に野良ロボットが分散作成されて収拾がつかなくなることが心配。RPAは中央集約型で管理してロボの重複も避けるべきだと思うが、そうでない場合は注意が必要と思われる。具体的には機動力を活かすには現場で作るのが良いとばかりにユーザがエンドユーザコンピューティングと同じ感覚で取り組みロボが量産されてしまう可能性がある。こうなったらいつの間にかエンジニアの知らない自動処理がユーザ部門で出来上がっていてそれがいつの日か保守をしてくれといった要望になる可能性すらある。中央集約されていないので機能的に他のロボと重複もあるだろうし何ならユーザ部の一担当者が個人的に作ったロボも存在するだろう。このロボたちが悪さをしないのであれば良いがマクロの組違いなどで意図しない挙動を見せて本来のシステムに対するダメージコントロールが出来ない状態になると目も当てられない。

 

■ユーザ部と手を取り合って

前述した手を打たないといけないポイントについては開発部門が中央集約のメリットを提案する必要があると思う。規律を設定し野良ロボの発生を抑え開発部門がRPAを統制するといった前向きな意見具申が必要であると考える。またRPAの単純マクロでうまくいかない部分については共通パーツの開発と提供など機能に対する標準化も推し進めていければと思う。RPAはエンジニアにとっても大きなビジネスチャンスだと推量する。